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スターシマック

Start / 1999.05.1.
Last update / 2001.10.20.


  プロローグ編
 “スター☆シマック誕生!”

 メルシス歴06357年、プロローグ編。6、7歳のシマックがそのエスパー能力を初めて発揮する。
 惑星メルシスのシティ・マルコムでは市民が頭脳<ブレイン>の管理下にあった。
 エスパーによるテロを恐れ、エスパーを排除しようともくろむ政府異端児消去センター。
 センターに雇われたエスパーハンターや探査機バードにおびえながら日々を過ごすシマック一家。
 満を持して脱出を試みるが、テレポートしかできないクリス.D.シマックと
 妻であり、テレパシー能力しか持たないアミィは殺され、二人の息子アルフレッドが残される。
 幼いシマックが放射能の砂漠をさまよい、追っ手のハンターとの戦いの中、超能力に目覚め、
 遂には倒して、政府の権力が及ばない自由貿易港より密航、脱出するというお話。
 

 初出は同人グループ「ティーム・コスモ プロダクツ」の季刊誌「コスモ Vol.7」(1977)。
 その後、コスモコミック「スター☆シマックT」(1979)に併載された。
 後に少年画報社ヒットコミックス「新番スター・シマック 3」(1982)に併載。
 左の画像は同社のSF雑誌「エイリアン」創刊号(1983)にリメイクされたもので
 頭8ページが2色カラーになった。


  ラスの太陽編
 “スター☆シマック、ファイアーヘアーの兆し!”

 
惑星メルシスの自由貿易港よりシマックが密航した宇宙船はラス星系に向かったと
 「プロローグ編」でもちゃんと書いている。
 間違いなく「ラスの太陽」って話はそこらへんの逃亡劇(?)なのだろう。
 そしてこの「ラスの太陽」編では、10歳のシマックが見れる、、、、はずだった。
 プロローグ編に続いて季刊誌「コスモ Vol.8」(197?)に発表が決まっていた。
 決まっていたはずだが私は「コスモ Vol.8」の存在を確認していない。
 惑星メルシスからの追っ手におびえながらもたくましく成長してゆくシマック、、??。
 果たしてこの作品、発表はされたのだろうか。
 さしあたって確認できる資料は80年代を代表する人気アニメ雑誌月刊「アウト」4月号(1982)!
 はじめてシマックが世間一般に認知された記念すべき雑誌である。
 この雑誌に多少なりとも表紙と思えるイメージイラストが掲載されている。それが左の画像。
 ラスというのは確か土星だか木星の衛星だったような気がしたが、ラス星系といっているし
 シマック自体架空の星がいっぱい出てくる漫画なので気にするのはやめよう。


  イドの魔王編
 “スター☆シマック 16歳!”

 
世間で言うところの16歳といえば高校1年生である。。
 悪い遊びをfたくさん覚えるであろうこの年頃はいわゆる思春期ってやつだ。
 なるほど目つきも悪くなるってもんだ、としごろの女も登場するらしい。
 親のいないシマックだから遣りたい方題し放題!誰も彼に注意するものもいないだろうし、
 この目つきじゃ、放任状態だったことは察しが作ってもんだ。
 っていうか、この作品は存在するのだろうか???発表の場はおそらくは
 季刊誌「コスモ Vol.9」(197?)。この季刊誌自体、存在が危ぶまれる。
 この件を確認できる資料はこれも同じく人気アニメ雑誌月刊「アウト」4月号(1982)!
 特集「大極彩色特集☆スターシマック☆幻のスーパーヒーロー」。
 この雑誌に多少なりとも表紙と思えるイメージイラストが掲載されている。それが左の画像。
 イオっていう衛星が土星だか木星にあったような気がしたが、これはイオではなくイド。
 シマック自体、未発表作品が多い漫画なので気にするのはやめよう。


  メルシスからの追跡者編
 “スター☆シマック、リングの秘密!”

 
宇宙暦0062年。
 シマックは正体不明の敵にねらわれていた。
 追跡者の正体は何者か。テレポートして逃亡を続けるシマックを追って
 探査機「バード」をとばすメルシスからの追跡者たち。惑星ウインザーに
 降り立ったシマックは力尽きて倒れているところをガラに拾われる。
 ガラというのはこの惑星唯一の亀に似た生物でおじいさんのペットだった。
 おじいさんはミアと名のる少女と二人でこの星に住んでいた。
 おじいさんから丸二日も眠っていたことを知ったシマックは謎の追ってとの戦いに
 老人とミアを巻き込むことを恐れ、出て行こうとする。老人はミアも連れて行って
 欲しいと懇願する。しかし逃亡者であるシマックは躊躇する。ミアが食事の材料である
 ガラの卵を取りに行き事故に遭う。やむなく使った超能力をたどって追っ手が迫る。
 なんのことないシマックの生まれ故郷、惑星メルシスのエスパーハンターであった。
 ねらいはシマックの両手首に光るリングだ。両親が身代わりにと手首にはめてくれた
 「思念波増幅リング」は、メルシスの指導者が極秘のうちに研究開発したESP波増幅機の
 試作機でそれを身につけると常人でも強力な能力を得られる恐ろしい兵器であった。
 それをいち早く察知した反政府主義者であるシマックの父クリスがメルシス中央科学省から
 ちょろまかしてきた物であった。ミアをいたぶるエスパーハンターにシマックの怒り爆発!
 始めからなめてかかったのもあるが、本物のエスパーであったシマックの敵ではなかった。
 連中の乗ってきた宇宙船で一同、無事脱出しましたとさ、めでたしめでたし。

 初出は東京三世社「SFマンガ競作大全集・秋の号PART12」(1981)。単行本未収録の
 この作品は、マイコミックスの前宣伝として掲載されたショートだがれっきとした書き下ろし。
 おまけに無意味な4色巻頭カラー&冒頭2色というけっこう豪華な作品であった。


  ESPボンバー編
 “スター☆シマック、超人として対峙する!”

 宇宙暦0082年。
 銀河系内の惑星国家群が連邦として統一されず、抗争を続けていた時代、
 地球連邦宇宙軍情報局に身を置くシマック。
 惑星シドスは何の前触れもなく消滅した。
 密に空間を占める物体そのものの中にテレポートすることで超質量の物体ができ、
 続いて強烈な核爆発を起こす超能力者爆弾作戦を阻止するために敵地に潜入するシマック。
 惑星国家ザリアンが交戦相手国の惑星中心部にエスパーをテレポートさせ、
 敵対する惑星全体を爆破消滅させるために集めたレンジ4以上のテレポート能力者たちは、
 この作戦の総司令官であるザガー中将の催眠暗示により兵器と化した。
 全惑星に対し宣戦布告をする直前、ザガーはシマックに倒される。
 その瞬間消滅する惑星ザリアン。破壊したのは仲間だと思っていたミリアであった。
 彼女もまた超人であり、全宇宙の支配者をもくろむひとりであった。
 超人の野望は砕かれた。宇宙暦0082年地球銀河連邦が誕生した。

 初出は少年画報社のSF雑誌「エイリアン」創刊号(1983)。
 プロローグ編とともに2本立てで掲載された書下ろし読みきり。
 テレポーテーション先の物質と融合することで爆破するあたり、
 このネタ元としては佐々木淳子の「那由他」あたりが怪しい。
 この表紙のイラストはイメージアルバムに内装された観音開きのカードに流用されている。


  邪悪の惑星編
 “スター☆シマック、邪悪な精神体と対峙する!”

 
宇宙暦0156年―それは魔の空間を航行中、
 突然おこった。船舶の遭難が良く起こり、アストロ
 ノーツの間では魔の空間と呼ばれ恐れられていた
 場所でシマックが乗った宇宙船の乗客が消失した。
 200名もの乗客の消息を求めた結果、宇宙船内の
 コンピューターがはじき出した答えは惑星γ3162を
 通過中に分析不可能な波動の一種を受けたということ。
 急遽、進路を変え、惑星γ3162に降り立つ。
 惑星はなんとも嫌な空に覆われていた。
 軌道に入った時に感知した生命反応をたよりに進むと
 突如、森の中から銃声がした。
 何者かの強い精神派に操られ、狂ったように殺しあう
 乗客たちに遭遇。止めるシマックを振り切り、
 いつしか放心状態のまま、夢遊病者のように山の
 ふもとにある謎の洞窟へと消えていった。
 追って洞窟に飛び込んだシマックをこの世のものとは
 思えない邪悪な精神波が襲う。精神波に真っ向から
 立ち向かうシマック!多くの乗客を道連れに
 邪悪な精神体は、山ごと姿を変えて消えていった。
 邪悪な精神体の正体は謎に包まれたまま、
 何か恐ろしいことが起こる前兆を感じるシマックだった。

 はっきり言って何がなんだかわからない作品。 本来なら「テュフォーン〜」を受けて、「アトランティス」編が始まるところだが、
 内容を作者が思いつかなかったのか、閑話休題のような支離滅裂な作品が巻頭2色カラーで登場。
 しかしこのような荒唐無稽な話こそシマックならではである。初出はマンガ専門誌「ペケ」1月号(1979)、 もちろん単行本未収録。


  デボルド編
 “スター☆シマック、ついに登場!”

 
宇宙暦0208年。
 ロバート・E・スミスをキャプテンとする標位衛星
 ステーション・レダは、正体不明の宇宙海賊に襲われた。
 抵抗空しく敗れたレダに乗り込んできた宇宙海賊は
 自らをデボルトと名乗った。コレが事件の始まりだった。
 仲間と妻を殺され、愛娘をさらわれたスミスは、
 デボルトに対する憎悪と復讐の念のみで生きていた。
 そして12年、銀河連邦軍司令長官となったスミスは、
 増大したデボルト軍を一挙に撲滅するべく、連邦軍の
 超大型戦闘艦コロナードで、デボルドの本拠地ラゾールに
 向かう。必ずや勝てるという保障のない戦いに臨む
 コロナードには、ひとつの希望があった。
 銀河一のエスパーといわれるスターシマックが
 配属されることになったのだ。しかし、デボルド側も
 手をこまねいて見ているだけではなかった。
 手持ちのエスパーをシマックに仕立て上げ、コロナードに
 送り込んだのだ。ちょうどその頃、本物のシマックは、
 キャプテン・ユダが率いるデボルド艦隊の一斉攻撃を
 受けていた。シマック、コロナードの運命やいかに!
 また、さらわれたスミスの娘ルナとの再会は?
 シマックとキャプテン・ユダとの一騎打ちの結果は!

 比較的いまでも手に入りやすい作品なのでストーリーはこの辺でやめておきますか。というかめんどくさいしな。
 「デボルド」編は1974年に新書版として発表することを目指したが、気に入らなければ何度でも書き直すという、作者の頑固さゆえ、
 書き直しに書き直しを重ね、4年後の77年4月ようやく発表されることとなる。スターシマックが遅刻といわれる所以である。
 77年にティームコスモ・プロダクツのオフセット誌「SOL」Vol.1に発表されてから
 2色カラーで華々しく頭を飾ったVol.4まで順調に描かれたが、その続きは少年画報社ヒットミックスに再録された1982年に、
 ようやく書き下ろしというかたちで完結を見ることとなった。まだ手に入りやすいので、ストーリーは割愛したが、 なかなかの秀作である。
 きれいな終わり方をしているという点ではシマック作品の中でも トップレベルの出来といって過言ではないだろう。
 ちなみに上の扉絵はカラーで連載された第4回目のものである。どう見ても「ヤマト」だ。 
 *「SOL」Vol.1は表紙が3種類ありますが中はおんなじだよ。
 


  メンター編
 “スター☆シマック 豪華上製本だよ。”

 
宇宙暦0245年。
 惑星トロベアスの中心都市シティーロゴスはメンター(指導者)と名乗る男の出現で沸いていた。
 1週間前このシティロゴスでこの惑星すべての都市を管理するマスターコンピューターの
 視察を行っていた最中、連邦評議会の一行が消息をたった。その調査に向かった連邦のエスパーが
 見たものは突然現れ、全惑星住民のカリスマ的存在になったメンターと名乗る男であった。
 評議員失踪の調査のため、消息をたった中央管制タワーに向かうとそこは無人と化していた。
 突如行方不明になった評議員に襲われる。彼らはこめかみに精密機械を取り付けられ、
 操り人形と化していた。結局現れたメンターの敵ではなかった連邦のエスパーも下僕となり、
 プログラム遂行に加担する事となる。
 連邦評議員を惑星リノアまで運ぶための航宙士として銀河連邦監察宇宙軍司令部長官に呼ばれた
 シマックは最新型の高速ボートでスターベース074を出発する。
 突如星間戦争が勃発、惑星トロベアスより恒星間用の多弾頭ミサイル3基が発射、
 惑星リノアを直撃した。急遽コースを変更、惑星リノアに引き返すシマック。
 使用を禁止されたはずのクレスタ弾道により生命は根絶やしにされたかに見えたが、
 シティ・サンパルノのスラム街に住む強力なエンパス(治癒能力者)であるトンガと
 連れのミーナが生きていた。ミーナは三重苦の娘でトンガのそばにいたため助かったのである。
 突然の星間戦争に連邦は大混乱に陥っていた。トロベアスは連邦の戦艦を建造する
 重工業惑星であった。最新武装艦隊を後ろ盾に全連邦惑星に対し宣戦布告し、
 しかも降伏を要求してきたメンター。トロベアスに対し長官は艦隊の出動を決定、
 トロベアスの反乱を鎮圧すべく向かった。シマックもトンガを連れて惑星トロベアスに向かうが
 迎撃されてしまう。結局、メンターの正体はシティーロゴスで惑星全都市を管理する
 マスターコンピューター「レグル30000」であった。テレポーテーションで難を逃れたシマックだったが
 正体を突き止めたところで捕らえられてしまう。
 ミーナを盾に取られたトンガの手でコンピューターは破壊され、連邦とトロベアスの艦隊は激突直前で戦闘を回避することができた。
 宇宙暦0245年、コンピューター「レグル30000」の引き起こした惑星トロベアスの反乱はこうして終焉を迎えた。

 この作品もほぼリメイクと言える。作品上、宇宙歴だと次に来ることになってしまうのだが、「ロゴス帝国の反乱」編の完全な焼き増しですな、これは。
 東京三世社のマイコミックスという、マイナー作家ばかりをニューウェーブの旗手と称してやたら単行本化したシリーズの21作目として
 書き下ろした作品。タイトルもずばり「スター・シマック」(1981)。サブタイトルは有りませんでした。
 都合上、「メンター」編としております、ご了承下さい。書き下ろしという触れ込みでしたが以前書いたものをまとめてる作家も多かったので
 無理することなかったんじゃないかな、、、とか思うし。
 後にフロム出版のベルコミックス「スターシマック」(1992)として再刊されました。


  ロゴス帝国の反乱編
 “スター☆シマック こちらが元祖です!”

 
宇宙暦0236年。星間客船エリノアは正体不明の敵の攻撃を受けていた。
 1ヶ月前より定期便などの星間宇宙船を次々に攻撃破壊し続けている謎の
 戦闘機の編隊の出現はニュースになっていた。時を同じくしてシマックを乗せた
 トンガ所有の宇宙艇(ヨット)も破壊される事となる。
 ヨットから脱出したシマックたちのもとに長官から間違った書留郵便が届く。
 事件を引き起こしている張本人が惑星トロベアスのシティーロゴスであり、
 銀河連邦に宣戦布告してきたので情勢をさぐってこい、、という旨であった。
 送金された資金を食いつぶしてしまった二人はアムラン宇宙港で個人用ボート、
 フィアス号を盗み出発、ついに窃盗犯になってしまう。
 その頃、長官の下には船の持ち主から怒涛のようなもんくの電話が!
 持ち主が言う大事な積荷とは何か?やがてシティー全体のコンピューターが
 異常な状態となり停電や事故が頻発する。シマックとトンガが乗るフィアス号を
 追う警備艇のコンピューターも同様に狂いだす。突如現れたシティーロゴスの
 戦闘機隊。船を壊されたため戦闘機を一機いただく作戦に出たシマックは
 反乱軍のパイロットがシティーロゴスの思潮の娘ルシアだと知る。
 彼女から事件の全貌が知らされる。シティーロゴスのマスターコンピューター
 「ゼウス」はデータを自己判断できる複合有紀コンピューターでマスターコンピュー
 ターとして導入され、シティーはその機能のすべてをゆだねる事となった。
 市民の生活のあらゆる部分までその末端を張り巡らせたゼウスはやがて
 自己増殖回路によって人格を持つようになり市民を支配するようになった。
 そして従来のコンピューターを狂わせる装置「マッドザイナー」を自ら発明するや
 連邦に宣戦布告したというのだ。宇宙船の積荷であった生物イズーミを仲間に迎え、
 シマックはゼウスを倒すべくトロベアスへ向かう。
 マッドザイナーを破壊されたゼウスは陽子砲も通用しないことにあきらめ、どこへとも泣く飛んでいってしまった。
 銀河連邦監察宇宙軍本部でもコンピューターが正常に戻り、事件は既に終わろうとしていた。シティロゴス側のすべてにおいて
 意識を支配されていた人間がもとに戻り、ゼウスの狂気が消滅していたのである。彼らにはもはや戦う意思はなかった。
 
 「メンター」編に対して、こちらがオリジナルのシティロゴスにおけるコンピューター反乱事件の話。リメイク版のほうが年代的には
 後になるのだけれど、トンガとの出会い等の兼ね合いでこちらを後にしてみました。
 初出は「アニメック」11月から三回に渡って掲載。もちろん単行本未収録。
 


  漂流船にゆれる幻編
 “スター☆シマック たゆたゆとした話だな。”

 
シマックは前作で長官からもらった超光速艇の処女航海中、その乗り心地に満足していた。
 ワープ12という常人では絶えられないスピードで突き進む光速艇「ラウンド・ファン」の中で
 食事をしようとした矢先、食料がつんでない事が発覚。
 調子に乗って銀河系の端まで来てしまったため食糧供給の出来るスターベースまで一日はかかる。
 思えば一週間分の食料があったはずだが、トンガとイズーミのふたりですべて喰い尽したらしい。
 一路スターベースへと向かう一行の前に現れた謎の宇宙漂流船。食い意地の張った三人は
 食料を求めて漂流船の探索へと向かう。宇宙人の漂流船は無人と化していた。
 その原因は宇宙怪物の仕業だった。幻覚を見せて乗務員を次々と襲った宇宙怪物。
 おまけに超能力を妨害する能力まで持った怪物に苦戦するシマック。ところが突如壁が破壊され、
 怪物は外に吹き飛ばされた。イズーミが漂流船を食べてしまったからだった。
 助かったシマックに長官から連邦本部へ戻ってこいとの命令が来る。
 最高速で帰路につくがいっこうに進まない。漂流船を食料としてゲットしたいイズーミが
 勝手に漂流船を引っ張れるようにロープで繋いでいましたとさ。

 初出はラポート(株)「アニメック」14号(1980.12)。未単行本化作品。


  謎の発光体編
 “スター☆シマック コレこそ書き下ろし?!”

 
シマックは前作「漂流船〜」のラストシーンで漂流宇宙船を引っ張った影響で
 ラウンド・ファンの調子が悪く不機嫌だった。修理するために連邦のスタードックに向かう。
 ところがスタードックは何者かの攻撃を受けて破壊されていた。長官に連絡をとろうにも
 どの回線も交信不能だ。そこへ突如謎の光が向かってきた。緊急回避し、脱出を試みるが
 緊急最高速のワープ12の速度を追ってしても、捕らえられてしまった。
 謎の光に包み込まれたラウンド・ファンの中で謎の光の分析をしてみると
 発光体は細胞が数億個集まって作られた生物である事が判明。
 ひとつひとつの細胞はエネルギーを吸収しながら分裂している。
 ラウンド・ファンの反物質炉の出力が低下してゆく。
 船の機能が完全に停止するまでの10分間で中心部にある核を探し出して破壊するのが
 唯一の危機脱出の可能性だとコンピューターが言う。
 発光体の中心核を光子ミサイルで破壊、急速後退し無事危機を回避したシマックたち。
 おなかがすいたギャースはロッカーの中に核を持ち込んでおやつにしていましたとさ。

 明らかに「漂流〜」の後を書いた作品ですが、アニメックに掲載されてはいません。
 ちなみにアニメックでは丁度この回を載せるであろう号の原稿を作者は落としてしまったらしく、
 予告掲載にとどまっています。実際日の目を見たのは1992年、フロム社から再刊された単行本の
 おまけとしてでした。実際よく読むと「アニメック」連載当時に書かれたとは思えません。
 イズーミの名前をすっかり忘れたシマックが泣き声からギャースと呼んでしまうなど設定がお茶目です。
 今ひとつ初出が謎な作品です。ご存知の方がいらしたら教えてください。



  ゼウス復活編
 “スター☆シマック 連載再開!”

 
宇宙暦0237。入植から40年が過ぎたある日、「神」は惑星アントロスの人々の前に
 天空よりおりたった。惑星アントロスは宇宙暦0197年より殖民が始まったが厚い岩盤に覆われ
 思ったように地下鉱物資源の豊かさと裏腹に土壌はかれはて開拓者は貧窮を余儀なくされていた。
 なんとか連邦スターベースにたどりついたシマック達は帰着早々、惑星アントロスに派遣される。
 連邦はロゴス反乱事件のあった一年前依頼、戦い敗れはしたものの、本体はどこへとも泣く飛び去った
 ゼウスの行方を追っていたのだ。辺境にある惑星アントロスに近づいた商船が威嚇攻撃を
 受けるという事件がおきた。しかし、こともあろうか通報を受けて調査に向かった第六艦隊が連絡を
 絶ったため、本格的に原因を究明すべくシマックに出動命令が出たのだ。ちょうど同じ頃、
 連邦評議会に出席するためにシティーロゴスの市長とその娘ルシアを乗せた高速艇カトリーヌ号は、
 急速に接近する謎の発光体に包まれ、市長はじめ議員数名はそのまま拉致されてしまう。
 幾度となく、引き上げ要請を取り合ってくれなかった連邦局を憎む民はゼウスを「神」とあがめ、
 ともに連邦に報復しようとしていた。ゼウスは調査に来た第六艦隊の兵士に催眠暗示を施し、
 命令どおりに働く操り人形にしていた。ゼウスは以前どおりプログラムを遂行し、
 この星にユートピアを作ろうともくろんでいた。ルシアを守ろうとしてロゴス市長は撃たれる。
 アントロスに到着早々操られた第六艦隊と交戦するシマック達。テレポートでいち早く到着した
 シマックは天空へと飛び立つゼウスを追い、罠にはまる。特殊処理を施した宇宙船の外壁に
 張り付いたままのシマックとともにワープするゼウスの機体。鉱物を鉱物とするイズーミの活躍で
 船内に浸入したシマックは遂にゼウスと対峙し、これを倒した。

 こういった形で話を続けられるというのは当時、いかに恵まれた環境にいたかを物語る。
 なんせいきなり2号分すっとばしただけでなく、いきなり前代未聞の32ページ一挙掲載。
 おまけに連載終了だぁ!!!初出はラポート(株)「アニメック」17号・18号。未単行本化作品。  


  ラビリスの女王編
 “スター☆シマック 最後の作品?!”

 
惑星エルグ30では悪性の伝染病インフェルノ・パドスが流行し、全滅の危機に瀕していた。
 なんとしても時間内にワクチンを届けるという任務を受けたシマックはDr.ジーニアスとともに
 高速艇で出発する。ピナン星区L4を航行中、ナビゲータを修理するために名もない惑星に
 着陸しようとしたが謎の攻撃を受け不時着。
 謎の惑星に不時着した二人は原住民に襲われ、
 博士は打たれて死亡してしまう。森の中を彷徨う内に謎の思念波の洗礼を受けるシマック。
 やがてガルザスと呼ばれるオオトカゲに襲われている少女エリダに遭遇。しかし再び謎の思念波が
 シマックを襲った。瞬間、ガルザスの体当たりを受け重傷を負うシマック。タルファ達援軍の
 おかげでなんを逃れるもののシマックは意識不明の重症。看病をするエリダに父はラーガス地方を
 取り締まるガーザンド家の者として、領主の住む城にシマックの事を報告したと告げる。
 侵入者の生き残りとして、城の衛兵がシマックに迫る。シマックの身にまたまた迫る危機。
 下手にかばいだてしてとばっちりを受ける事を恐れる父。エリダはシマックの身を案じる。
 意識が戻ったシマックは、航宙図にも載っていない星ゆえ銀河標準語が通じない事におののく。
 おまけにテレパシーが通じないのだ。シマックに恩返しをしたいエリダは衛兵から彼を逃がす事を
 決意する。臆病者とののしられ、タルファも一緒に禁断の森へと踏み出す。森の奥深く洞窟へと
 向かうが洞窟の中には既に謎の生物が暗闇の中、身構えていた。(未完)
 
 この作品、年代(宇宙歴)は特に記載がなく確認できません。
 連邦との係わり合いがあることから外人部隊に入る前ということでこのあたりの年代かなと。
 ともあれ、これがシマック最後の雑誌連載作となりました。とほほのほ。
 少年画報社の看板雑誌「ヤングコミック」に掲載されました。連載三回にしていきなり廃刊。
 ラストページの柱には、廃刊に伴い未完で終わることと、書下ろしとしてヒットコミックスから
 刊行されるといった言い訳が、、、、。本来なら「アトランティス」編に続いて7巻あたりに
 エントリーされていたのだろうか。今となってはその存在すら知る人が少ないと思う。
    <

























  アクレディア編
 “スター☆シマック 外人部隊に所属。”

 
宇宙暦0248年、惑星開発船アクレディアUはメイン・コンピューター
 「マルス12000」の反乱により、突如、惑星破壊兵器に変貌した。
 惑星モディールを消滅させ、無敵艦隊ビクトリアス、シド3番星を宇宙の塵と化し、
 太陽系に向かって進む悪魔の船。死角はどこに、弱点はあるのか?次々に惑星を
 破壊しつつ宇宙をさまようアクレディアを止めるすべを失った銀河連邦監察宇宙軍
 長官ヴァンスは外人部隊への依頼を決意。かくしてスターシマックとアクレディアの
 対決が今始まる。彼ら外人部隊の作戦は船内に乗り込んで内部から破壊しようという
 ものだった。が、入り口に接舷しようとした瞬間、シマックたちの乗る光速艇がシールド
 にはじかれた。ワープしようとするアクレディアUの心臓部にシマックが決死の
 テレポートを試みるが失敗。機械であるアクレディアが超能力シールドを張っていたのだ。
 外人部隊ベース・21でガルゾフ大尉からなじられたシマックは謹慎中にもかかわらず、
 仲間とともに単独アクレディアへの再攻撃を遂行する。ベンの密告で強行突破を余儀なく
 されたがなんとか出撃したシマックたち。果たしてコンピューターの反乱の裏にエスパーの
 影はあるのか?その後、アクレディアは惑星得るどすを葬り去り、依然衰えることな
 暴走を続けている。連邦評議会の決議の結果、大統領は太陽系の放棄を決定。
 ヴァンス長官は科学が人類の幸福に貢献すると信じてきたこの結果に途方に暮れる。
 地球消滅まであとわずか。シマックは間に合うのか?夕焼けがむなしい。(未完)

 「邪悪の惑星」編に続き、マンガ雑誌「ペケ」に連載をはじめたものの「ペケ」が廃刊。
 引き続き雑誌「コミック アゲイン」に連載再開するも、作者息切れ。
 少年画報社ヒットコミックスにおいて「デボルド」編に続き、第4巻として発表との
 触れ込みもむなしく、刊行されることはなかった。
 ちなみに一回目ではサブタイトルがなく、「邪悪〜」の柱に「次回、新章アトランティス編
 スタート!」みたいなふれこみがあったので多くの人が勘違いしたであろうが、
 「テュフォーン〜」の続編であるはずの「アトランティス」編でないことは年代が古いことからも明白。「コミック アゲイン」に移ってからは、
 サブタイトルに「惑星破壊宇宙船アクレディア」編と付くようになったが、連載三回目には「宇宙」がとれて「惑星破壊船アクレディア」編となり、
 ついには通称「アクレディア」編と呼ばれるようになった。たいしたことじゃないが。


  テュフォーン伝説編
 “スター☆シマック 再生する!”

 
宇宙暦0317年。銀河辺境連絡客船「ランバー」には
 テュフォーン遺跡の発掘調査を終えた惑星考古学者
 ボーゲン博士ら調査団が乗っていた。シマックは
 敵ゾールの戦闘艇を追いかけていた。連絡線航路に
 追い込んだゾール機が「ランバー」に衝突、大事故に。
 辺境航路の中継と外人部隊17の本部があるスター
 ベース376では客船事故の責任からシマックが去ろうと
 していた。第三次銀河対戦で敗れた反乱軍の残党
 からなるゾールは今なおこの辺境星区で悪の限りを
 尽くし、外人部隊(マーク)との極地戦を続けていた。
 外人部隊とは連邦軍に雇われた戦争のプロフェッショ
 ナルであり、金のためならいかなることでも実行する
 つわものの集まりであった。
 テュフォーン星の遺跡の中に全宇宙を支配できるほどの
 兵器の秘密がかくされていた。その秘密のカギを握る
 のはあの事故で唯一、奇跡的に無傷であった生存者
 ルフィー・ボーゲン。ゾールの魔の手がルフィーを襲う。
 シマックはゾールの強力なフォースの前に倒れ、外人
 部隊のアマギに救われる。さらわれたルフィーの心に
 進入し秘密を解こうとするゾールは謎の思念波に邪魔
 される。ゾールから事故の原因がシマックにあると
 聞かされたルフィーの心は揺れる。
 そして舞台はテュフォーン星に移り、助けに来たシマックをルフィーは撃ってしまう。ゾールはとどめとしてシマックの頭を吹っ飛ばす。
 たじろぐアマギ。しかし突如現れたテュフォ力でシマックは復活する。新たな力を得たシマックとゾールの時空を越えた戦いが始まる。
 
 初出はマンガ専門誌「ペケ」創刊号(1978)から12月号までの4回に渡って掲載。その後 同人グループ「ティーム・コスモ プロダクツ」の単行本
 コスモコミック「スター☆シマックT」(1979)としてまとめられた。後に少年画報社ヒットコミックス「新番スター・シマック 1」(1982)として完成。
 余談では有るが月刊「アウト」の姉妹誌「ランデブー・コミック3」に表紙だか宣伝だか判らないようなイラストが掲載されている。
 (詳しくはイラストコーナー参照。)



  アトランティス編
 “スター☆シマック 時空を越えたゾールとの戦い。”

 
ゾールともに時空を越えたはずのシマックだったが、
 これまたタイトルと予告に終わった未発表作品。
 作者はそれでいいかもしれないが、読者はたまったもんじゃない。
 どうしてくれるんだ!左に画像も載せられないじゃないか!!
 ということで、脇の柱に予告の載っているページと、予告を載せた単行本を
 あてがうことにしました。特にヒットコミックス「新版スター・シマック」第2巻では
 今後、5、6巻が「アトランティス」編として刊行されると明記してある。
 2巻分とはコリャまた大作だな。はぁぁぁぁ〜、むなしいね。
 だいたい左の画像、「ペケ」連載当時の「テュフォーン伝説」編最終回のカラーページな
 わけだ。すでにうそつきジャン!次の号の「ペケ」に載ったのは「邪悪の惑星」編。
 まったくもってけしからん。
 だいたいタイトルからして過去に戻ってしまいそうだよ。そんな感じのイラストが
 当時の「アウト」に載っている。ギリシャローマ的な衣装を身に着けたシマックが
 ゾールと戦っているのだ。(詳しくはイラストコーナーでその眼で確認してね。)
 タイトルから決めたんじゃないのかな、あるよね、そういうことって。


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