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スターシマック

Start / 1999.05.1.
Last update / 2001.10.20.
スターシマックの世界を語るに、やはり避けては通れないのが「超人ロック」である。

「スター☆シマック」と「超人ロック」

「東の超人ロックあれば、西にスター☆シマックあり!」と言われた古典的SF作品。
コミケはおろか、まだオフセットの同人誌すらなかった時代に東の「作画グループ」
西の「ティーム・コスモ」と呼ばれた2大同人誌グループが有りました。
それぞれ「ストーリー作品集」、「COSMO」といった肉筆回覧誌からはじまり、
のちにオフセット誌「グループ」、「Sol」と移行していった時代の牽引者でした。
現代の漫画同人誌スタイルの基礎を構築したといっても過言ではないでしょう。
「作画グループ」は65年創設、当時本部は大阪でした。代表はばばよしあき氏。
刊行誌は会報である「なかま」、コミック誌として「グループ」その他多数を既刊しています。
みなもと太郎、神坂智子、さとうひとみ、清原なつみ、ひたか良、なかがわつとむ、速水翼、
志水圭、あずみ椋、かぶとむし太郎などを排出しました。
「ティーム・コスモ」は68年創設、当時本部は兵庫県でした。代表は関口よしみ氏。
刊行誌は会報のほかにオフセット誌として「COSMO」「SOLEIL」などがありました。
住本吉隆、かずさひろし、やぎむら亜紀、ひおあきら、岡崎つぐおなどを排出しています。
そして「作画グループ」は「超人ロック」の聖悠紀を擁し、「ティーム・コスモ」には
「スター☆シマック」の関あきらが所属していたわけですが、はっきりいって
「ティーム・コスモ」の代表・関口よしみって関あきら本人のことなんで所属も何も、、、ううう。

「スター☆シマック」は、稀有の超能力者「アルフレッド・シマック」が主人公。
長い年月を股にかけ、銀河系のみにこだわらない壮大な宇宙を舞台にしたSF作品です。
(始まりからしてメルシス星だからなぁ、、、。)
キャラクターのヘアスタイルが同様にファイアーヘアーだったり、明らかに「超人ロック」の
影響下に有る作品ですが、後出の岡崎つぐお作品「ジャスティー」に与えた影響など考えると
決して単なる物まね作品でなかったことが伺えます。
おおまかな歴史上の事件に主人公がにわかに関わることで成り立っている「超人ロック」は
ともすれば最後の数コマに顔を出すに終わったり、幻影で終わったりとドラマに重点を置いた
作品といえます。はなからヒーローとして登場したり、呼ばれたり、かならず事件解決の任務を
帯びて出動する(出勤?)シマックとは、やはり根本的に違う気がします。
もともと二隻の超ど級宇宙戦艦の戦闘(デボルド編)を描くにあたり、設定された主人公である
「シマック」は、言わば作品中で神と等しい立場にある「超人ロック」と異なり、
あくまで超能力を持った「人間」として作品世界に存在し続けました。
故に失敗を苦に,外人部隊を辞めたり,外人部隊の上司にイヤミを言われて独断で事件解決に
挑んだりと,人間くさい短絡思考が目立つのもこの作品の特徴(醍醐味?!)と言えましょう。
また、「シマック」において触れおかなければいけないことの一つに「スタートレック」からの
影響があげられます。寺沢武一の「COBRA」が必要に「スターウォーズ」の影響を伺わせて
いるのに匹敵するくらい、用語やセリフなどのそこかしこに「スタートレック」の影響が見え
隠れしています。あからさまに「ミスター・スポック」そっくりの味方や敵役が登場するあたり
がご愛嬌です。いろんな作品の影響を受けて「スター☆シマック」は成り立っていると言えます。
実は聖悠紀先生と関あきら先生は同人誌時代より交流があるわけですが、そればかりでなく
「スター☆シマック」と「超人ロック」には、作品の発表における経緯にも似かよったところが
多々有りますので以下にご紹介します。
まずは出世のきっかけとなった雑誌が某有名アニメ専門誌「OUT」であったこと。
1977年12月号に「超人ロック」特集され、脚光を浴びるや否や、続く1978年4月には
「スター☆シマック」特集が組まれました。これは「ロック特集」の評判のよさに、二匹目の
ドジョウを狙ったとの裏情報もあり、相対する関西系のヒーローとして、かの名言、
「東の超人ロックあれば、西にスター☆シマックあり!」と言った具合に紹介されたのでした。
同年「OUT」の姉妹誌「ランデブー」に「超人ロック」が連載されれば(=新世界大戦)、
8月にはその別冊「ランデブーコミック」の3号に、連載の予告編ともとれるイラストが見開きで
掲載され、9月には姉妹誌月刊「ペケ」で待望の新連載(かの有名なテュフォーン伝説編)が
始まったわけです、、、、はい。でも順調だったのはお互いここまででした。
今後、「シマック」「ロック」ともども幾多の廃刊にみまわれることとなるのでした。
まずは、ともども「ランデブー」「ペケ」が廃刊となり、「超人ロック」はしばし行方をくらまし、
「スター☆シマック」は「ペケ」の後継誌として創刊された「コミックアゲイン」の4月号に
ちゃっかり連載再開するも5月号を最後に作者息切れ。その後、アニメ雑誌「アニメック」にて
劇的な新連載を遂げるものの、2回分ほど間を空けつつ、合計6回と長続きせず連載終了。
雑誌自体もやがて廃刊。当時はある意味「シマック」にとっては黄金期であり、東京三世社で
豪華上製本を出したり、SF競作全集に寄稿したりと華やかだったんですが、、、、、、ねぇ。
一方、「ロック」は同人誌時代の作品を集めた4冊と「ランデブー」に連載したものをまとめた
単行本という少ないメディアで人気を継続しながらも、1979年に始まった少年キング連載で
一気にブレイク。超能力マンガの金字塔と言われるまでに不動の人気を集めたのでした。
「スター☆シマック」晩年の作品は、掲載誌が「ロック」と同じ少年画報社でこそありましたが、
「ロック」が少年誌である少年キングを中心としたのに対し、「シマック」は成年誌(というか
元は劇画雑誌の草分け的存在)であったヤングコミックに、1981年末より、最後の連載開始
(ラビリスの女王編)。ヤングコミック廃刊までの、たった3回という短い連載にて幕を閉じた
のでした。(ヤングコミックは2002年現在、復刊していますが、大幅方向性が変わってます。)
ちょうどこの頃「シマック」は、「超人ロック」と同じ少年画報社ヒットコミックスから新作・
旧作を含めての、単行本の刊行を始めており、具体的に6巻までの構想が打ち出されていました。
しかし1982年のヤングコミック廃刊により、またも未完となった作品も含め、単行本化は
暗礁に乗り上げ、パチンコで言うところの打ち止め状態に陥りました。
以後、「ロック」が少年キング廃刊後も「OUT」(廃刊)、「コミックバーガー」、「MEGU」
(廃刊)、「ZERO」と掲載誌を変えながら続いているのに対し、「スター☆シマック」は、
ヤングコミックの廃刊以来、誌面には現れておりません。唯一、以前に東京三世社より
書き下ろしで発表になった作品が短編を伴って1992年に単行本化されたくらいです。
作者自身はようやく昔の仲間が運営するネットにメールを送ってきたため音信普通ではないようですが、
、、、なんとも早、ファンとしてはいたたまれないわけで、、いかがなもんでっしゃろ。
そろそろ、どこかで新作を発表すると言うのは、、と懇願してやまないわけです、、、はい。






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